経営計画書の作成

 経営計画書を作成する必要があることについてはだれもが認めているが、実際に毎年作成している企業は極少数である。その理由としてよく挙げられるのは、「計画はあくまでも計画で、実績とはまるでかけ離れたものになることが常であるから」というものがある。次に多いのが、「どのように作ったらいいのか解らない」、「ノウハウがない」などである。
 その他にも種々の理由が挙げられるが、いずれの場合も、具体的な経営計画を示さないことによる弊害を痛切に感じている。つまり、多くの企業は、経営計画をつくらなければならないと思っていながら、作れない理由があるのでやむを得ず作らないのだということを言い訳にしているに過ぎないのだが、そうは思わない(思いたくない)ようである。
 人は思い悩むと、ものごとを見たいように見たり、聞きたいように聞いたりする習性があるためか、経営計画書を作らない理由について語るとき、必ずといっていいほど、自分の対応を弁護する姿勢を示すが、中には、他社の経営計画書を真似てもいいから、取りあえず作ってみようというアクションを起こすなど、積極的に取り組む経営者も存在する。
 こうした経営者を説教的と評するのには多少抵抗はあるが、少なくとも、経営計画書を作成することを決意し、実行に移したという意味では、言い訳に終始しながら何もアクションを起こすことない多数派に比べれば、その取り組みは評価できる。ただ、真似をするといってもその程度は様々で、中身については社長の理念が色濃く反映されたものもある。
 経営計画には、売上高、営業利益、経常利益など、達成すべき数値目標が盛り込まれていることが絶対条件である。そして、これを達成するためには、どの商品をどの顧客に対して幾らで販売し、どれだけ利益を見込むかを製品ごとあるいは部門ごとに計画する。こうした内容は、自社独自のものなので、形式は真似たとしても大勢には何等影響しない。
 ただ、ここまでの段階までを経営計画とするのであれば、それほど苦慮しないであろうが、問題は、この数値計画を達成するために、どのような経営方針で臨むかという戦略が欠落していては、単なるお題目になってしまう。つまり、財務目標と市場目標を整合させる戦略や戦術がデザインできないことが、経営計画策定を躊躇させる最大の要因である。