現代社会には危険がいっぱいある。「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」、インターネットのウイルス攻撃」、数え上げればきりかないほどの危険にさらされている。テレビでは毎日のように殺人事件などの凶悪犯罪が必ず報じられる。しかし、こうした危険のなかには、伝統的なものもかなり存在し、全てが技術革新を受け入れた結果生じたものとは限らない。
ただし、IT化の進展により情報処理技術が充実してきたことにより、世界中の情報がリアルタイムで入手できるようになってきたため、その「功」の方が「罪」を上回っていることを認めざるを得ない。企業経営においても、ITを活用することにより、「見える化」する仕組みを構築するメリットは、これによって生じるリスクを遥かに上回っている。
ITシステムを活用することによって、会社の機密漏洩の危険度が増すという理由で、IT化には消極的な姿勢を取り続けている企業は未だに存在する。しかし、それはが本音であるとすれば、明らかに誤解である。何故ならば、IT化することにより、収集・蓄積される情報の増大に対してセキュリティ・システムの構築が遅れているだけのことである。
ITが活用される以前は、企業内で取り扱われる情報量は紙ベースで極限られていたから、これを大事に保管することでセキュリティは十分と考えられていたが、それは、単なる自己満足に過ぎず、どんな場合でも、リスクの発生確率をゼロに抑え込むことはできない。それは、車が危ないからという理由で、車を運転しないというのと同じ発想である。
我々は、交通事故の発生や情報の漏洩を恐れていながらも、敢えて技術革新を次々取り入れて生活を豊かにしてきた。ITシステムを導入することで、機密漏洩などの危険性が増すと考えるのではなく、そうしたデメリットを認めつつも、情報を共有することのメリットを積極的に評価する姿勢がなければ、変化の激しい市場では生き残るのは難しい。
これまでの経営システムでは、情報の収集・蓄積能力が著しく小さいうえ、加工・分析する技術も低レベルであった。こうした欠陥を抱えつつ試行錯誤しながら意思決定をしてきたことを思えば、ITを積極的に活用して、膨大な内外情報を分析できれば、より精度の高い仮説が生まれる。経営の見える化とは、こうした情報武装システム化のことである。
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