OJTや集合教育は、社員個人の自己啓発を目的として行うものであるから、個人の能力が高まれば、個人の集合である組織も活力が増すはずである。しかし、現実には、個人の能力の合計が組織の能力になるかというと、必ずしもそうなるとは限らない。そこでは、管理者のベテランといわれている人たちの指揮・管理能力なども作用するからである。
スポーツチームの成績は、監督の采配によって左右されることは知られているが、どのような能力が備わっていれば、チームの成績が上がるという決定的なものは特定できないが、監督やプレーヤーの能力が高ければ、それだけよい成績を上げられる可能性が高まることも確かである。企業についても同じことが言える点もあるが多少事情は異なる。
組織開発とは、個人の能力を高めるだけではなく、組織全体のレベルアップを目的して行われるものであるから、組織自体に変革を求めるための活動である。つまり、組織風土に変革をもたらすことが一つの目的になっているが、最終的には、メンバーの貢献意欲や問題解決志向の取り組み姿勢の問題であり、個人の能力だけでは解決できない。
個人が問題解決に対して取り組む姿勢を示さなければ、組織は活性化しないし、組織の風土が腐敗していれば、社員の自己啓発意欲も育たないので、結局組織開発は不発に終わってしまう。この当たり前の論理を重々承知していながら、組織開発のために時間と費用を費やしている企業が多いところを見ると、中々難しい問題であることが解る。
組織の変革に取り組むためには、先ず、何が問題であるかを明確にし、トップがその問題の重要性を認識すると同時に、解決のためリーダーシップを発揮することが不可欠である。組織に潜んでいる問題は、複合的なものが多く複数の問題が絡み合っているため、時には、第三者による調査・分析や組織診断なども必要になってくるかもしれない。
こうしたプロセスを経て明らかにされた課題を克服するための計画を策定し、推進のスケジュールに沿って、具体的に実施計画を進めることになる。そしてこれを見直し、評価するという段階になるが、結果について検証し、効果を測定してみなければならない。ここのところの詰めが甘いと、かえって組織が疲弊してしまうことにもなり兼ねない。
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