階層別教育・訓練

 集合教育は、縦系列である職能別教育と横系列の階層別教育によって組み立てられている。組織目標の達成を目指すという立場からMECEに教育ニーズを捉えると、こうしたフレームになるのは当然であるが、問題はその中身と研修をどのようにプログラムし、適切なタイミングで実行するかである。一般的には、節目ふしめに行われているようである。
 階層別教育は、資格や同等の職位にあるものを集めて行うが、主な目的は、自分の保有する能力を棚卸してみる機会を与え、能力開発への刺激と、これによる自己啓発への動機づけを促すことにある。当然、キャリア開発の一環にもなるので、全社的に計画し、継続して実施することが肝要である。特に現在のような高齢化社会においては重要である。
 また、本人の自己啓発意欲を刺激するためには、成長段階に即して実施されなければならないから、キャリア開発プランやジョブ・ローテーションなど、人事制度ともリンクして実施するとより効果的である。定年延長や継続雇用制度を実のあるものに育てるためには、本人がキャリア形成に対する必要性を自覚させる意味でも何らかの工夫が必要である。
 それはともかく、階層別研修で最も活用されている集合教育といえば新入社員研修である。この研修の典型的なスタイルは、先ず会社人として守らなければならない就業規則や集団行動規範を示し、学生気分から脱皮し社会人となることの意味を解くことから始められる。そして、会社の沿革、組織、事業内容、主力商品、顧客層なども紹介される。
 担当者は、部課長や社長で、会社の現状や今後の展望、新入社員への期待と続き、各部門長からも現状課題につて説明を受ける。ここまでのカリキュラムが終了すると、社会人としての自覚を促すため、実務知識ばかりではなく、英会話や文章力、表現力などを含む一般教養にまで及び、職務遂行上必要と思われる基礎知識を習得させる。
 そして、最後はグループ討議である。このグループ討議の目的は、課題解決に向けての取組姿勢や、他人の意見を聞く態度、自己表現のしかたといったことなどについて考えさせ、リーダーシップの大切さを認識させたり、理解力を養成することにある。これに加え、生産現場や営業を体験させコミュニケーション能力を養う訓練も盛り込まれたりする。