販売予測は正確でることは望ましいことには違いないが、予測目的によっては、ある程度ザックリとしたトレンドが掴めれば十分という場合もあれば、新聞や雑誌の売れ行きを短期的に予測するといった、かなりの精度が要求される場合もある。予測方法を選択する場合、これの要件と予測のための費用や時間を考慮することも重要な要件の一つである。
また、社内に過去のデータが蓄積されている場合は、それを活用することができるので、予測方法の選択もある程度はばがあるが、新たに市場調査などを行って資料を収集しなければならないような場合は、費用ばかりではなく、時間的制約条件にも配慮しなければならないので、予測方法の選択肢も大幅に制限されることにならざるを得ない。
さらに、過去の資料が整っている場合でも、回帰分析により関係式を導き出そうとすると、中々当てはまりのよい式が見つけ出せない場合も多々ある。特に、経営計画が策定されていない企業の場合は、売上高や営業利益などを目的変数とした場合の説明変数を見つけ出すのにかなり時間がかかるが、これは元々費用と効果が対応関係にないからである。
こうした状況の下で、何らかの因果関係を見つけ出すためには、分析以前に会社の経営方針を確認しておかなければならない。つまり、経営計画も十分に策定されていない上に、どの費用が売上高や営業利益を確保するために、どれほど必要かというシミュレーションが行われていない場合などは、費用と効果の関係を見つけ出すのは困難である。
しかし、そうした状況を確かめることも販売分析の機能の一つでもある。すなわち、販売予測ができにくい状況にあることを経営者や管理者に示すことにより、今後の経営計画策定に役立てることもできるし、売上や利益に貢献していない費用を削減するという大胆な改革にもチャレンジしてみる姿勢も生まれるなど、副次的効果も生まれることもある。
いずれにしても、販売予測には過去の資料の充実度とその利用可能性の問題、時間的制約条件、許容される費用の限度などがポイントである。こうした条件が全て整っているのであれば、予測の精度を高めるモデルを開発することも可能かもしれないが、逆に整っていないからといって、予測する価値がないと諦めるのでは将来につながらない。
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