分けて考えることの意味

 感度分析をすることで、どのような情報を取り出そうとしたのかを考えれば解るように、限られた経営資源を有効に配分し、集中することにより経営効果を高める有効な施策を見つけ出すことを目的として分析を行うわけである。つまり、分析手法ありきではなく、何を知りたいか、そしてそれを経営にどう役立てたいかによって分析手法が選ばれる。
 分析とは、全体を細かく分解して、それをある要素ごとにグルーピングし、その集合が全体を構成していることを確かめることに意義がある。すなわち、全体ははじめから解っているが、それはどの要素の集まりで形成されているのかを知り、全体の性質をより深く理解することで、全体に対して最適なアプローチができるようにすることが分析である。
 例えば、マーケティング戦略では、市場細分化という言葉がよく登場するが、全体市場を細分化して、自社の経営資源が有効に活用できる市場を全体市場の中から取り出すために、ある同質的なニーズで市場をくくり、具体的なマーケティングミックス(製品、価格、プロモーション、販路)戦略を策定・実施しようという戦略的意図によって行われる。
 一般的なセグメンテーションとしては、ジオグラフィックな要因(地域、人口密度、気候などの地理的要因)、デモグラフィック要因(年齢、性別、所得、職業など)、サイコグラフィックな要因(ライフスタイル、パーソナリティ、商品使用率、使用機会など)があるが、実際にこうした切り口で市場細分化を行っても、あまり役に立たないこともある。
 繰り返しになるが、ものごとを分けて考えるとは、単に粉々に分解することではなく、自分は何をしたいのか、そのためにはどのような情報を手に入れる必要があるのか、そうした疑問を解く鍵が分析であるということをいつも念頭に置かなければならない。この基本を忘れてしまい、やたら難しい分析手法を駆使するだけでは分析する意味がない。
 企業経営において、売上高を増やすことはどの企業にとっても永遠の課題であることは疑う余地がない。事実、売上高は予算を組む場合の根っこになっているので、基礎予算と呼ばれるくらい大事である。しかし、売上高を伸ばすことのみに目を奪われ、最終的な利益が獲得できなくなってしまうようでは、企業の存続さえ危ぶまれる状態に陥ってしまう。