感度分析の手法については、スパイダーチャートとトルネードチャートがあることは以前にも触れた。スパイダーチャートとは、横軸に各要素の変動率、縦軸に結果を表す指標を取ってグラフを描いてみるという手法である。幾つかの要素をグラフで表示すると、くもの巣のようなグラフになることからスパイダーチャートと呼ばれている。
一方のトルネードチャートは、各要素の値を80%の確率で起こり得る範囲に設定した場合の最終結果に与える影響を見るためのグラフを描くもので、変動幅の大きいものを上から順序に並べていく。この時描かれたグラフが竜巻のようになるため、トルネートと呼ばれる。いずれの方法も、結果を図式化して視覚的に影響度を見るために行う手法である。
企業経営上で感度分析が役立つのは以下のような側面からである。1)将来において起こりえる外的要因によって、売上や利益などの結果に与える影響やリスクを定量的に把握し評価する。2)結果に最も影響を与える要因を把握し評価する。3)戦略代替案を評価する際、どの要素に重点的に経営資源を配分すべきかをシミュレーションする場合に活用する。
外的要因の変化による影響やリスクを定量的に捉え評価するとは、例えば、原油価格の値上がりが、自社製品の売上や最終利益にどのような影響を及ぼすかに着目し、因果関係を予め把握しておくことを意味する。実際には多くの要因が複雑に絡み合っているので、確実性は低いかもしれないが、戦略の方向を決定するためには有効である。
次に、結果に最も影響を与える要因を把握し評価するとは、戦略を評価するための軸を把握するために有効であるということである。例えば、製品価格、変動費、販売量、販売員の投入量をそれぞれ数パーセントずつ改善(悪化)した場合に、どの変数が最終結果に大きな影響を及ぼすかなどを見るもので、重回帰分析なども動員して行われる。
そして、3つ目は、戦略代替案や改善案を評価する場合に活用するということである。つまり、複数の戦略代替案の中から、結果として売上や利益、事業価値などがどのように変化するかシミュレートする場合に有効である。例えば、リスクを先取りして大型の投資を実施した場合の事業価値の変化を事前評価するといった事業価値の評価にも活用される。
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