80対20の法則(その1)

 80対20の法則とは、全体の8割は2割の重要な要素によって支えられており、残りの2割があまり重要ではない8割の要素によってカバーされているという法則である。例えば、100個の商品の売上があったとすると、そのうちの8割は、2割の商品の売上で構成されており、残りの2割は8割の商品の売上からなっているというものである。
 実際には8割あるいは2割というように厳密な数値にはなっていることは稀であるが、世の中の殆どの現象が、大なり小なりこうした法則性によって支えられていることから、こうした呼ばれ方をしている有名な法則であるが、実際に企業経営の分析で活用していることはそれほど多くはなくはないように思われるふしがあり残念である。
 物事の本質を見極めるために分析をするわけであるから、いきなり難しい分析手法をもちいるのではなく、問題の全体像を大まかに捉え、そこからある仮説をたてこれを検証しながら分析を進めていくというスタンスで挑まなければ、何のための分析なのかさえ見失ってしまうことになり兼ねないので、分析者はその点を心して取り組むべきである。
 先日、ある食品製造業から、採算性が悪化しているので、どのように改善したよいかという相談受けた。決算書やその他の財務諸表を見る限りでは特にこれといった指標が悪化しているようには見えないが、総利益率、営業利益ともにやや減少傾向にあることは一目でわかった。というより、そこまでは特に分析しなくても認識できる。
 実は、こうした状況に陥った場合の原因を突き止めるは意外と難しく、突き止めたとしても、抜本的な改善策を見つけ出せるかどうかとなると、実質的にはお手上げ状態になってしまうこともあり、実に厄介でコンサルタント泣かせな相談であることが多い。しかし、相談を受けた以上は、何らかの解決策を提案しなければ納得してもらえない。
 提示された膨大な資料を前に、さてどこから切り込もうかと思案していたところ、目に入ったのが販売データであった。そこでまず、取扱商品をパレート分析により、利益貢献度を測定してみることにした。取扱商品が以外に少なかったため、分析は比較的短時間で済ますことができたが、そこから得られた情報はまるでダイヤモンドのようであった。