世の中は中々うまくいかないものである。会社が是非残って欲しいと思う社員は、何時か独立したいと考えているし、できれば早くやめてもらいたいと思っている社員は中々やめない。経営者の立場で考えると、決して笑いごとではないことは理解できるが、ただ嘆いているだけでは何の解決にもならないで、何らかの対策を講じなければならない。
こうした構図にどうしてなってしまったのかを考えてみると、人事制度に問題があることが多いようである。特に、給与制度とその運用法に問題があり、そのなかでも公平かつ正当な評価がなされていないことに多くの原因がある。人は処遇面では多少不満でも仕事自体にやり甲斐や生き甲斐を感じられれば、すぐに転職を考えるわけではない。
経営者はまずこの点について反省してみる必要があるように思われる。正当な評価制度が確立されていれば、仕事の成果と処遇面が結果的に連動することになるので、こうしたミスマッチは次第に解消されていくことになる。そうした制度が確立されているという前提で考えると、むしろ、何時かは独立したいと考えている人は貴重な存在である。
こういう人は、損な役回りも買って出て決して言いわけをしない。そんな人が何故成果を上げることができるかというと、それなりの勝算が事前に描ける能力をもっているので、敢えて、自分を逆境に追い込むことができるたのもしい人材である。経営者にしてみれば、こんな人材を社外に流出させてしまうのは避けたいと考えるのは当然かもしれない。
しかし、それは間違いである。それは、最近多発している労使間の紛争をみても解るように、社員を会社にしばりつけておくことは殆ど不可能であり、法廷闘争に持ち込まれれば、会社側の勝ち目は殆どない。こうした姿勢が社員に読まれてしまった結果、退社する意向がより強まると考えた方が人材活用戦略としては正解である。
こうした間違った考え方が、ミスマッチを生んでしまい滅私奉公型の社員を多く抱えてしまうことになるという悪循環に陥らせてしまう。人は成長するのが自然な姿であり、会社が制度や契約で縛りつけようとすると、その制約の中で自分の世界を作ってしまう。こうした社員が束になっても、会社が目指す成果には結びつくはずがない。
コメント