整理解雇は、会社の業績が悪化したため、人員を解雇せざるを得ない状況に追い込まれた場合に取るいわば最後の手段である。解雇について民法上は何ら制約がないが、労働基準法や判例によって制限されている。整理解雇は、経営側の事情により行われるものであるため、収入の手段を奪われる労働者にとっては解雇権の濫用は受け入れられない。
整理解雇の要件は、人員整理が、企業の合理的運営上、必要不可欠なものであると、解雇に先立ち、配転や出向、一時帰休、希望退職の募集、その他相当な企業努力が尽くされたこと、解雇対象者の選定・適用基準が合理的であること、解雇の必要性、時期、規模、方法、解雇基準などについて、労働組合または労働者に説明するなどが挙げられていた。
しかし近年では、整理解雇の適否を判断するためにこれらの要件は、重要な要素であることは間違いないとしても、整理解雇も普通解雇の一類型であるとして、整理解雇の適否を判断するに当たっては、それらの事情を総合して考慮しなければならないのであって、これらの要件がすべて具備されていなければ濫用の根拠にはならないという判例もある。
いずれにしても、誰を解雇の対象者とするかは重要な問題であるから、まず、客観的かつ合理的な整理基準を設定しておくことが必要不可欠である。その時に留意しておかなければならないことは、会社の再建に対して貢献度の高いものを残し、低いものは整理の対象とすることが基準の中に合理的に盛り込まれていることである。
また、整理基準自体が適正であっても、その適用が客観的に見て妥当であるかどうかは別の問題であるから、解雇の対象者の選定が公正に行われなければ、その解雇は無効と判断される。したがって、単に勤怠判定のために欠勤日数を安易に用いたり、解雇者の成績についても、判定基準が明確にされていなければ、公正とはみなされない虞がある。
次に、労働組合員を解雇する場合には、当然のことながら組合と十分協議した上でなければ、裁判所では無効と判断されることが多い。最後に、指名解雇を実施する場合は、労働基準法20条の定めるところにより、30日前に解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないほか、退職金規定がある場合は所定の退職金を支給する。
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