ビジネスの効用とは、「誰に対して」「どのような価値を」「いくらで」「どのような差別的方法で提供するか」である。この仕組みを組み立てたものがビジネスモデルである。ここで価値とは何かについてあらためて考えてみると、顧客にとってのメリットや効用あるいはベネフィット(便益、利益)と見ることができるであろう。
一方、私たちが商品を買う目的はどのような意思によって支えられているのかを考えると、確かにベネフットを求めていることは間違いないが、果たして明確な価値観に照らし合わせて購買しているかといわれるとかなり危うい感じがする。その時の心境や時間的制約、満足水準、商品の評判などによってかなり左右されているように思われる。
しかし、ヒットしている商品には、必ず顧客から支持される心理的な効用やベネフィットがあるわけで、これを読み解く力がなければビジネスモデルを解明することはできない。そこには、見た目や使い勝手、印象といった要素など商品の一般的特徴というものがあるが、それだけでは不十分であることは感覚的にも理解できる。
商品を開発する側にとっては、自社のUVPがその背後にあるわけであるから、顧客に訴えかける「うり」というものが存在するはずである。場合によっては著名人の推薦や皇室御用達といったお墨付きが信頼感を確実なものにするといった効果もあるが、やはり、実際の使い勝手がよくなければヒットの要因とはなり得ないように思われる。
これだけでもまだ足りないような気がするが、一体何が足りないのだろうか。それはやはり心に響くベネフィとである。ところで、ビジネスの成り立ちという観点からいうと、顧客満足は顧客が受け取る価値ということになるのだが、これは、純顧客価値であり、総顧客価値から総顧客コストを差し引いたものであると定義されている。
この説は、フィリプ・コトラーによるものであるが、総顧客価値は、商品の機能、品質、信頼性、性能、デザイン、希少性といった商品そのものに付帯する製品価値、保守やメンテナンス、問い合わせに対する対応のような商品に付随する価値、商品やサービスを提供する従業員のパーソナリティや態度、企業イメージやブランドイメージなども含まれる。
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