活用できるプロモーション戦略

 商品が売れるメカニズムは複雑で、優れた商品や価格の安い商品が必ずしも売れているわけではない。自社の商品が優れていることを顧客に訴えて価値を実感してもらうのがプロモーション戦略である。今やプロモーションといえばネット広告が主流になっているが、伝統的な広告や営業員による人的販売促進も相変わらず健在である。
 伝統的な広告媒体は、テレビ、新聞、雑誌、ラジオといったマス4媒体がまず頭に浮かぶ。また、交通広告、屋外広告、折り込み広告、ダイレクト・メール、電話帳広告、リーフレットなどのSP媒体もよく用いられる。特にダイレクト・メールは手法が日々進化しているため、これに特化した専門書も多数出版されている。
 しかし、何といってもネット広告は広告の王様的存在になってきている。ただ、一頃のようにバナー広告はやや下火になり、ヤフーやグーグルといった検索エンジンで、いかに上位に表示されるかといったSEO対策が重要視されるようになって久しい。また、グーグルの「アドワーズ」や「アドセンス」といった「キーワード連動型」も注目されている。
 今でも多用されているのが、CMなどでおなじみのPR広告である。PRは消費者にとっても新商品の紹介や使い勝手を知る手かがりとしても有用であると同時に、企業のブランド力を訴えるには格好のツールである。しかし、企業側から一方的に訴えかけるものは敬遠される傾向も見られるため、消費者の立場からの発想が求められるようになってきた。
 取扱商品にもよると思われるが、高額商品の機械・器具などでは、何といってもう営業員の販売活動に依存するところが大きいだけに、営業員個人のスキルや動機づけが重要な意味をもつ。特に、B2Bの場合は、顧客との接点あるパイプラインを充実させたサプライチェーン・マネジメントが求められるため、営業員には問題解決力が要求される。
 B2Cが主流の店頭販売では、棚割やPOP、店内ポスター、店内放送、クーポン、懸賞広告、会員カード、無料お試し、キャシュバックなど、顧客に直接アピールするものばかりではなく、QRコード・携帯の活用なども有効である。さらに、卸・小売業などの流通チャネル内におけるリベート、各種のインセンティブも活用されている。