マーケティング戦略の組み立て

 ここでいうマーケティング戦略とは、自社のUVPが確定したことを前提にしたマーケティング戦略のことである。つまり、本来の経営戦略を基軸にした戦略的マーケティングではなく、既に確立した事業を展開する場合のマーケティング・マネジメント戦略における4P(Product、Price、Promotion、Place)に絞り込んだ戦略である。
 すなわち、自社が選定した顧客セグメントのうちの特定ニーズに応え得るUVPを具体的4Pに落とし込み、仮説思考で作りあげたペルソナの購買態度や行動に最もフィットする4Pを考えるわけである。ここまでリアルに顧客像が見えてくると、製品の品質や価格、これに相応しいプロモーション、流通チャネルなども容易に設定できるようになる。
 例えば、ブランド志向の強い顧客あるいはステータスの高いビジネスマン、リーズナブルな価格でちょっとおしゃれな若者などをターゲットにすれば、品質や価格のグレード、販売チャネルの選定、プロモーションの方法も見えてくる。こうした4Pの要素を顧客の消費行動で説明したモデルが有名なAIDMAの法則である。
 AIDMAの法則とは、Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)の頭文字を取ったものである。このモデルは、テレビコマーシャルなどを通じて、商品に着目し始める認知段階を経て、具体的に関心を示す感情段階に至る。そしてその思いを心に止めておき、最後には購買という行動段階にうつる。
 その他にも、AIDAモデル{Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Action(行動)}やAIDCAモデル{Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Conviction(確信)→Action(行動)}、AIDASモデル{Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Action(行動)→Satisfaction(満足)}などもある。
 また、最近はこれらのモデルとは少し距離を置いたものとして、ATMULモデル{Attention(注意)→Trial(試用)→Memory(記憶)→Use(利用)→Lean(学習)}やAISASモデル{Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)}などの新しいモデルも注目されている。