UVPの検証

 UVPを見つけるのはそう難しいことではないが、得てして独りよがりになってしまうこともあるので気をつけなければならない。選定した顧客層が自社のUVPを認め、実際に購買してくれるかどうかが、戦略の柱になるのであるとすれば、最初にボタンをかけ違えてしまうと、最初から見直さなければならないので、ここが肝心のところである。
 そこでまず、最初に仮説で設定したUVPを客観的な既存データやフェル推定などにより検証してみることが必要になる。また、最も現実的な検証法は顧客(仮想顧客)にインタビューしてみることである。といっても、大がかりなアンケート調査などではなく、ほんの数人に直接UVPをぶつけてみることで十分なのである。
 客観的なデータといえば、総務省統計局の検索サイトにより、国の各種統計を閲覧してみるのが手っ取り早い。さらに、もう一歩踏み込んで調べたいのであれば、「日経テレコム21」なども活用できるし、その他にも業界が発表しているデータも充実してきているので参考になる。これらを眺めるだけでも大よそのトレンドが把握できる。
 ただし、ここから得られる情報では自社にぴったりなものは見つけ出すことができないのが当然なので、そこのギャップを埋めるのに用いられるのがフェルミ推定という方法である。この方法はそれほど高度な技術を必要とせず、要は一種の因数分解と考えればよい。例えば、商圏人口×対象層比率×購買比率×自社の支持率などに分解してみる。
 ここでは仮説の方向を検証してみることが目的なので、細かい数値を算定する必要はなく、その推定が的を射たものであるかそれともかなり矛盾しているかを確かめるだけのものと考えれば足りる。つまり、そこには論理的にアプローチし、より顕在化している数値をもとに展開することでアバウトではあるが、あり得る程度のものであれば足りる。
 顧客へのインタビューも、まず3人程度にアプローチしてみることから始めればよい。ただし、インタビューの仕方によって得られる情報の精度が異なるので、その点の注意は必要となる。つまり、特定の商品・サービスを使用する場面をリアルに想像できるように質問するなどの工夫をすることで、UVPの評価をある程度確認できる。