競争戦略分析はポーターのマトリックスを用いるが、成長戦略分析として有名なのがアンゾフの成長ベクトルである。 この分析は、市場の広さを既存市場と新市場に区分し、これに既存製品と新製品をクロスさせ、その組み合わせにより、その特性ごとに適正な戦略を選択するというものであり、もっともオーソドックスな戦略分析である。
上記の組み合わせで、既存市場と既存製品・サービスを選択する場合は、市場を深耕する価値が残されていることが前提条件となる。それと共に自社の経営資源やUVPなども勘案して、既存市場での強みがどの程度生かせるかも重要なポイントになるので、できるだけ追加投資を避けることも念頭に入れなければならない。
次に、新市場と既存製品・サービスとの組み合わせである。この戦略を選択する時のインパクトは、未開の市場に対して既存製品を投入することになるわけであるから、地域的な広がりをベースに市場展開するというのが典型的なケースであるが、その他にも、既存製品の新用途の開発などの余地も考えられる可能性は大いにある。
既存市場と新製品・サービストの組み合わせでは、既存市場に対して全く新しい価値を提案する場合と、既存製品・サービスの発展型を投入する方策が考えられる。つまり、顧客が新製品と認定してくるかどうかがポイントである。したがって、実際には市場浸透戦略が限界に達したことを見極めるのと並行して進められることになる。
最後に新市場と新製品・サービストの組み合についてであるが、他の3つの戦略では既存市場あるいは既存製品・サービスを活用する点で、戦略の実行性はある程度予測できる可能性は高いが、市場、製品・サービスのどちらにもなじみが薄いため、十分な情報の収集と分析が絶対条件となるほか、経営資源の質量とシナジー効果にかかっている。
さらに、既存製品・サービスが成長期または成熟期の前期にある場合に、余剰資源を活用して多角化を目指す場合と、既存市場に見切りをつけた撤退戦略の過渡期で図らずも多角化戦略を並行して行うとことになったという場合では意味が違ってくる。後者の場合は、形はともかく多角化戦略と位置づけるには無理があるように思われる。
コメント