競争戦略

 顧客をセグメントしたとしても、その顧客が属する市場が必ずしも自社にとって最適な市場とは限らない。何故ならば、そこには必ずといっていいほど強烈なライバルが待ち構えているからである。しかし、自社のUVPを発揮できる市場が特定されたわけであるから、解決しなければならない問題は、そのライバルたちとどのように競うかといことになる。そこでまず、自社の立ち位置を確認することが肝要である。
 競争戦略分析では、対象とする市場を全域と特定領域に区分し、ここにおける市場シェアの高低というマトリックスを描き、リーダー型(全領域・高シェア)、チャレンジャー型(全領域・低シェア)、ニッチャー型(特定領域・高シェア)、フォロワ―型(特定領域・低シェア)に分類し、自社がどの型に属するかを分析する。
 この分析が、ポーターの競争戦略マトリックスであるが、一般的には大企業の寡占型に適応されるもので、中小企業にはあまりなじまないと感じるかもしれないが、市場の捉え方は既存の市場を前提に考える必要はないわけであるから、独自の切り口を見つけ出せれば、あながち中小企業にも適用できないというものではないように思われる。
 既存の枠組みで巨大市場を捉えると、市場シェアは逆転していることを目にすることもあることから、競争戦略の選択が適正であれば、何らかのチャンスが潜んでいるという見方もできる。つまり、リーダー型が常に有利であるかというと、チャレンジャー型の連合軍から常に狙われているという悩みもあるはずである。
 同様に考えれば、現状ではローコストを武器に経済セグメントを設定しているフォロワ―型もチャレンジャー型やニッチャー型に育つ可能性はないとは言えない。日本の企業がグローバルな国際市場においてシェアを奪われているのは何よりの証拠である。増してや、既存の市場の枠組みは、景気や社会情勢などによっても変化する。
 したがって、現時点での自社の立ち位置を確認するともに、中長期的なトレンドを独自の分析によって予測し、競争戦略を選択しなければならない。特に為替や国際情勢の変化が激しい現況においては、市場を固定的に捉えて戦略を構築するのは危険を伴う場合もある。いずれにしても、どのポジションにあっても最適な戦略を模索しなければならない。