顧客セグメント分析

 顧客セグメント分析は、顧客の属する市場において自社のUVPを発揮できる最適組み合わせを模索することにほかならない。したがって、あまり拘り過ぎると個客に直接対応したマーケティングになってしまい、企業が目指している経済的合理性を無視する結果になりかねない。つまり、費用対効果の限界を意識したものでなければ意味がない。
 一般的には、消費者のライフスタイルを何らかの基準によりセグメントし、これにその消費者が属する市場の規模や成長可能性、顧客の特性あるいは特殊事情などをクロスさせ、顧客のKBF(購買の鍵となる要素)と自社のUVPの相性を見極める。その結果を踏まえて、現在の顧客はだれか、将来の顧客はだれかなど吟味するというプロセスを辿る。
 ただしこの場合、ライフスタイルを基準にして顧客をセグメントすることがベストであるとは限らない。取扱商品や参入障壁が高い市場を前提にしている場合には、ざっくりとしたセグメントにより、上記の組み合わせを検討することで足りる。現実的にはこうしたセグメント分析の方が経営目標や戦略も立てやすいことになる。
 顧客セグメント分析のカンどころは、自社の経営資源の質量と対応可能なUVPに依存していることになるので、市場が発する情報を確実に把握できる適正なセグメントを選定することにある。例えば、従来型の製品別や顧客別、地域別といった大くくりでも、セグメントとして捉えて差支えない場合だってあり得るということである。
 ただし、こうしたセグメントは、顧客のKBFを基準としたものではなく、企業の論理によりセグメントされたものであるから、自社のUVPが発揮できるセグメントになっているとは限らないので、流通チャネル整備も含めて市場を再定義することの意義は大きいと思われるが、一旦出来上がったシステムを変えること好まない傾向もある。
 いずれにしても、セグメント分析は、既存の業界枠組みを前提にした考え方からの発想では最適なマーケティング戦略を導き出すことはできない。少なくとも、顧客の目線で商品やサービスを見直し、どんな商品・サービスが必要であるかを把握することで、自社のUVPを逆に見つけ出すという発想に立つことがポイントとなる。