SWOT分析で方向性を決める

 SWOT分析は今まで度々登場してきたので、改めて説明するまでもないと思われるが、戦略の方向性を検討する場合に自社(自分)が得意とすること、そしてそれを生かせる場面という身近な分析に活用できることを確認したい。つまり、内部の経営資源(得意分野)を外部の経営環境に対してどのように配分するかという活用手段として見直してみたい。
 内部の経営資源は、顧客基盤の安定度や技術力、財務力、企業文化などにおける「強み:Strength」と営業力の脆弱性、戦略の貧しさ、人材不足などの「弱み:Weakness」である。一方の外部環境は、高い市場成長率、国際市場への拡大などの「機会:Opportunity」と異業種の市場参入、市場の縮小などの「脅威:Threat」である。
 戦略の方向性を決めようとする場合は、これらの4つのマトリックスのうち、強みを活かせる機会に対しては、強気で攻めることが基本である。次に、強みが活かし切れないと判断される脅威に対しては、現在の強みを維持しながら利益の獲得が維持できる程度の守りの姿勢をとる。例えば、製品ライフサイクルが成熟期に達した場合がこれに当たる。
 次に、市場の拡大や新しいニーズが生まれているのに、自社の経営資源がこれに対応できていないといった場合、深追いをせず傍観するかあるいは市場を細分化して小さな機会に限定して参入する。また、現在の経営資源では対応できそうもない脅威に対しては、無理に追加投資をせずに、場合によっては撤退することも考える。
 こうした基本的な取り組みは、これまでも多くの企業で行ってきているはずなのだが、その結果が自社にとってどのようものであったかは必ずしも総括されていない。それは、概して言うと「敵を知り己を知る」という原則がおろそかになっていたことによるものと推察される。つまり、フレームワークが不完全であったのではないかと思われる。
 SWOT分析で吟味しなければならないのは、バリューチェーン分析を含めた知的資本分析である。ここでのフレームワークで自社の強みを明確に認識することが必要である。次に行わなければならないのが競争環境分析と顧客セグメント分析である。ここを押さえることではじめて、自社が選択すべき戦略が競争戦略か成長戦略なのかが見えてくる。