ワークショップとは、工房のようなものと考えれば解りやすいと思うが、そこでは金槌や鋸を使って、家具や生活の道具を作ることをイメージすればよい。問題は、社内研修の場をワークショップにすることに対する抵抗はかなりあるのでは?という不安ではないだろうか。全くないというわけではないが、それほど心配する必要はない。
というのは、現場では「わが社には戦略がない」などという批判が飛び交っている。そうした批判や不満を解消するために、「あなたならどうする」と問いかけるものであるから、自分の思いを「戦略」にぶつけてみるのは痛快なはずである。そうだとすれば、多少の戸惑いはあっても、我が意を得たり、という面もかなりあるはずだからである。
ただ、自分で戦略を作るワークショップにしただけで、直ちに戦略づくりに取り組めるわけではない。それは工房を用意したからといって、すぐによい家具や料理がつくれないのと同じで、まず道具とその使い方を習得しなければならない。戦略づくりでは、フレームと仮説という2つの道具を用意し、この使い方をマスターすることが先決である。
ワークショップは導入したけれども、利害が相反する各部門は相変わらず、従来の主張を繰り返すだけだったり、あるいは、支離滅裂なアイディアが飛び交い収拾がつかなくなったという例は結構多い。これらの失敗の原因は、概していうと、フレームの概念と仮説思考が未成熟であったことによるところが大きいものと推察される。
フレームとは情報を整理するための枠組みであるから、戦略づくりについていえば、何のために(どんな目標を達成するために)戦略を練るのかという基本的な枠組みをモレやダブリがないように捉えることである。企業の業務機能でいえば、「経営機能」「生産機能」「販売機能」「開発機能」「情報機能」などがフレームということになる。
上記のような基本フレームをさらに細分化して、フレームとすることが現実的であると思われるが、このフレームによって整理された情報をもとに、目指すべき方向を決める手法が仮説思考である。フレーム自体も一種の仮説ではあるが、まず、ここからスタートしなければ、戦略づくりは遅々として進まないことになる。
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