情報収集による仮説の検証方法としては、上記の方法の他にアンケート調査やヒアリングといった強制的な情報収集方法もあるが、これらはいずれも手間と時間がかかるため、それだけ検証にも手間取ることになる。仮説の検証はどんなに綿密に行っても100%の精度になることは期待できない以上、なるべく検証サイクルを回すことに専念すべきである。
そこで、現実に行われているし推奨したいのは、サンプル提供による使用後の意見を検討するといったトライアル法である。例えば、CVSなどでは、「3週間置いて売れない新商品は今後も売れる可能性が少ない」という仮説を立てている。新商品が導入されると、この仮説に基づいて、この商品が売れ筋商品か死に筋商品か判定されという。
しかし、これもまた経験則に基づいた仮説である以上、例外もあるかもしれないし、修正を余儀なくされるかもしれない。他の条件に変わりがなければ、売上は交通量に比例するかもしれないという仮説が成り立つであろうが、地域の特性(例えば気候や温度など)に違いがあれば商品の売れ行きが大きく左右されることもある。
このように仮説をまず立てて、実際に試行してみることで精度を高めることができるので、テストマーケティングの一種としてアンテナショップで多用されている。もちろん、この場合も100%に仮説の精度高めるということは不可能であるのは言うまでもないが、固有の要因に拘り過ぎて全体の傾向を見逃すよりは遥かに価値がある。
また、テストマーケティングの一種であるサンプルを使って改良意見を収集する場合も、ある程度の仮説に基づいて意見を求め、改善のためのアイディアを収集することに役立つ。いずれの場合も、2次データを加工して推定するよりも、情報がストレートに反映されるトライアル法は、より実践的で検証のスタイルとしては優れているといえる。
こうしたトライアル法は、実験計画法あるいは分散分析などとも呼ばれ、実験地域間の特性などを測定する場合には威力を発揮する。トライアル法で気をつけなければならないことは、抽出された意見を全て盛り込もうとして総花的になってしまうことである。枝葉末節的な意見もかなり含まれていることも念頭に置いておくべきである。
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