仮説を立てるヒント

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 仮説検証サイクルを回すことで精度が高められているものは数限りないが、身近な例でいうと天気予報などがその典型と言える。天気予報は未だに仮説の連続であるが、その精度の高さは年を追うごとに進歩している。その原因は科学の進歩によるところも大きいが、経験則というサイクルを回し続けてきたことが大きく貢献している。
 仮説は元々問題を解決するための効率的な手段として活用されものであるから、人との関わりの中で仮説の必要性が認識されるものである。事実仮説が生まれる土壌は人との関わることでヒントが生まれる。例えば、通常の会話や他人の噂話などもヒントになることが十分考えられる。これを意識的に発展させたものが討論(ディスカッション)である。
 ディスカッションなどで人の意見を聞くことで、新しい情報や別の意見を聞くことができれば、それまで漠然と抱いていた仮説は修正され精度が高まることになる。そうした意味では、インタビューなどにより意見を意識的に聞くことにより、新たな仮説が生まれるということはよくある。仮説力の優れている人はこうした手法にたけている人でもある。
 アンケートや既存のデータを加工・分析して仮説を立てることもあるが、この場合も、人との関わり合いの中で得られたヒントがベースになっていることには変わりはないことを思うと、よい仮説を立てるには人とのコミュニケーションの持ち方が大きく左右しているといえるから、あらゆるコミュニケーションツールが活用できる。
 また、仮説思考により新しい仮説にアプローチしている時に、ふと閃くこともあると思われるが、これとてもこれまでの人との関わり合いの中から生まれたものであることは疑う余地はない。自分の気づきから仮説のヒントが生まれるというよりは、仮説思考が身についていれば、素朴な疑問が心に生じることで、そこからヒントが生まれるのである。
 すなわち、仮説を立てるためにヒントを探すというのではなく、多少精度が粗くても、まず仮説を立ててみることで、仮説の精度を高めるというアプローチの方が遥かに大事なのである。仮説思考の苦手意識をもっている人は、自分は苦手だという先入観をもっているに過ぎず、ヒントをもっていないというのも、自らの心に壁を作っている人なのである。