仮説の精度を高めるには

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 仮説を立てる前にあまりにも精度に拘り過ぎ、論理を振り回すと足がすくんでしまい仮説が立てられなくなってしまうことがある。計画と仮説は同じものではないが、仮説を積み上げることによって計画が出来上がるのであるから、よく練り上げられた計画は仮説検証サイクルを回すことで支えられていると見ることができる。
 したがって、経営管理サイクルでいうPDCAと同じように、仮説検証サイクルを回すことが新しく経営計画を策定する場合にも働いていることになる。実行性の低い経営計画はおざなりで、あるべき姿や目標を単に掲げているだけで、仮説を意識的に立てていないという特徴があるため、仮説検証のサイクルが回ることはない。
 仮説を意識して立てるということは、他人の意見をよく聞くことや既存データを解析することで、仮説を見つけ出そうとする意気込みのようなものである。製品開発などでよく行われるプレーンストーミングなどでも、相手の話をよく聞くことにより、新しい発見があり、それが新しく仮説をつくる場合のヒントとなることは認識されている。
 製品開発をする場合のアイディア発想法なども、人との関わりの中で得た情報(例えば既存製品に対する不満、価格に対する不満)などがベースとなることが多いし、客観的にデータを解析することでヒントを得ることもある。また、自分自身の体験により気づくころもあるであろう。いずれにしても強い意識がなければよい仮説は生まれにくい。
 強い意識が必要ということは、最初から精度の高い仮説を発見することを意識するということではない。何のために仮説を立てるのかという意識のことである。この意識を高める力が観察力であり、直観力であるとすれば、既存の概念にとらわれることなく、ものごとをゼロベースで考えてみる柔軟な思考で挑むことである。
 こうした思考様式が身についていれば、取りあえず精度の粗い仮説を立て、仮説検証サイクルを回すことにより、検証に有効な情報収集力も身についてくる。というよりも、仮説を立てることによって、サイクルを回さざるを得なくなるという状態が生じることになるため、精度の高い新しい仮説を生み出す意欲が高まってくる。