仮説により到達点を明確化

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 仮説思考に求められる一つのよりどころは、部分よりも全体の最適化を念頭に仮説を組み立てることである。全体は部分の集まりであると考えれば、これを無視することはできないが、大局観をもって全体をイメージしなければ、部分の最適もあり得ないことになる。例えば、マイホームを計画する場合など考えれば解りやすいであろう。
 家族はそれぞれのライフスタイルに合った間取りや設備を希望するだろうが、肝心の総予算の捻出を度外視して考えることはできない。こうした場合、家族の要望を無視するというのではないが、住宅として最小限度の施設をどのように配置するかをまず考えることになる。このような場合、リーダーに求められるのは大局観である。
 ゴールを具体的に描くことも仮説と考えることができるので、ここから出発すればMECE(モレやダブリの無い状態)に結論を導き出せる可能性は高まるはずである。つまり、結論を仮設定することで、枝葉末節的な議論に引きまわされずにすむため、最終的な結論もより妥当性の高いものになるほか、時間的にも大幅に節約することができる。
 会議などで先にたたき台を示されることで、参加者も問題意識を新たにすることもできるので効率的である。また、こうしたたたき台的な結論を提案するためには、ある程度の反論が参加者から出されることも織り込むことになるであろうから、たたき台とは言いながら、かなり練られた仮説になることも期待できることになる。
 実際の会議でも、提案者である事務方の説明に対して、当初はかなりの反論があるが、現況を踏まえた上での提案であるだけに、反論は次第に終息の一途をたどり、当初の提案が尊重される形で採択されることが多い。これを論理的思考のみにより議論を積み上げていくと、会議が迷走してしまうことになるという経験は誰にでもある。
 情報収集力や時間の制約もある場合は、仮説もある程度大胆になりがちではあるが、理想的な状態をイメージして臨めば、着地のイメージが共有されている以上、議論が左右に振れる可能性も低くなるであろうし、議論を進める方向も目標達成に向けたものとなるので、問題を解決するための糸口も次第に明らかになってくる。