個別戦略(事業戦略)

 事業戦略は全体戦略を実行するために、各事業単位で個別に戦略を設定するものであるから、全体戦略と整合するものでなければならないのは当然である。また、単独事業のみを展開している企業の場合は、全体戦略がそのまま事業戦略ということになるので単純明快であるが、複数の事業を行っている場合、どのような切り口で区分するかが問題である。
 オーソドックスな区分の仕方としては、ドメインの3要素である、「どのような消費者」の「どのようなニーズ」に対して「どのような差別的方法」でという対象市場や商品・サービス、独自能力によって規定するのが基本になる。具体的には、商品別、顧客タイプ別、地域別、販売チャネル別などにより切り分けるという方法である。
 事業戦略のパターンとしては、マイケル・M・ポーターの競争戦略(コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略)やフィリプ・コトラーの競争優位戦略(リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワー)が有名であるが、いずれも、自社(事業)のポジションを明確に捉えることが前提となるため、優位性を見つけ出すのは困難である。
 近年は、これらの基本はそのまま踏襲するとしても、商品・サービスの提供の仕方を革新的に変える方法としてビジネスモデルの革新が一つのトレンドなっている。この言葉が出現した背景にはIT化の進展によるインターネットの活用があるが、ビジネスモデル特許をイメージして使われることが多かったように思われる。
 しかし、本来の意味におけるビジネスモデルが見直されているというべきなのだろうか、事業の展開方法やユニークな販売方法全般について使われるようになってきた。例えば、今話題の「ブックオフ」などはその典型であり、旧来のモデルの欠点をついた革新的方法による事業が消費者から拍手喝采を浴びているという構図である。
 このようなビジネスモデルを見つけ出すためには、まず、業界の基本モデルを把握することから始めなければならない。次に自社のビジネスモデルを把握し、商流・物流・金流(お金の流れ方)・情報流をチェックしてみる。その上で業界ビジネスモデルにおけるポジショニングを明確にし、市場とのギャップを見つけ出すという手順を踏むことである。