経営戦略とは、経営ビジョンの達成を目指して組織が目指す長期的な基本設計図であるといわれる。つまり、環境とのかかわりにおいて全体の枠組みを明らかにすることである。そして、その全体の体系は、全体戦略と個別戦略からなり、全体戦略は、誰に対して何をどのような方法でという領域を規定した戦略ドメインと基本戦略によって構成されている。
個別戦略は、組織戦略、事業戦略、機能別戦略により構成されているが、いずれも、長期的な視点で組織が目指すべき方向を示す、基本設計図を環境との関わりにおいて明らかにするという性格をもっている。戦略ドメインの設定を受けて基本戦略が決定されるというプロセスを前提にすれば、個別戦略ではまず組織戦略が他に先行して検討される。
組織戦略は、経営戦略と経営革新を推進するための基盤となるものであるから、変化のスピードに対応できるような活力のある組織づくりを目指すことになる。したがって、従来型の階層組織を基本とした機能重視の考え方から、目的重視型のフレキシブルでフラット型の組織形態に改革するというコンセプトで取り組まなければならない。
業務命令を忠実に実行する組織風土ではなく、経営目標達成のための自己管理を基本理念としたものでなければ、責任の所在も不明朗なまま放置されることになるので、機能的には従来型と何ら変わりないことになってしまう虞がある。コーポレートガバナンスのあり方が問われるようになっている今日、執行役員制度の導入なども検討に値する。
組織戦略は、組織構造と組織運営という側面から捉える必要があるので、具体的にどのような機能を担う部署を設置するのか、そしてどのような役職をおくのかが示されなければならない。例えば、事業部制組織、地域別組織、マトリックス組織、カンパニー制、プロジェクト組織などで、基本戦略の戦略課題や事業特性を前提とした構造となる。
これらの組織戦略は、いずれも身軽な組織で柔軟性があり、自己管理を基本とした自己責任の原則に則った権限移譲型であることが望ましい。このような組織構造が決まれば、その部署の責任者の権限と責任も明らかになるので、組織運営も円滑なものとなることが期待されるが、あくまでも基本戦略に則しているということが鉄則である。
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