競合環境の分析

 市場環境分析によりマクロ的な環境を捉えたのち、今度は直接自社の経営に影響する競合環境にフォーカスして分析を試みる。ここではまず、先に捉えた業界全体の売上高の推移をもとにして、業界の主要企業の売上高推移と市場シェアの変化を押さえ、同時に自社のシェアの変化と比較してみることで自社の位置関係を明確にする。
 次に収益性の変化についても一歩踏み込んで分析してみる必要がある。「競合環境分析」では業界の平均的な収益性とこれを支える製造原価や仕入原価、販売管理費比率、その中の人件費比率、営業外収益なども分析する。ただし、中小企業の場合は、統計的な経営指標では個別の競合企業のデータを直接捉えることは困難である。
 そうした場合は、業界団体が発表している情報を加工して推定することができる。その場合の着眼点が、経営戦略の動向、新製品の開発、製品ミックスあるいは特性の変化、生産設備の増強、技術革新の導入、広告宣伝などの販売促進の動向などである。これらの情報は複合的なものであるから、営業マンの活動によりもたらされた情報がベースとなる。
 特に新製品に関する情報は、顧客と直接接している営業マンが拾い上げた情報は貴重なものであるから、定期的に収集したものをある一定のフォームで蓄積しておくことが望ましい。また、設備投資の状況にしても、投資額が大きいものに関しては日経新聞や業界紙などでも把握できるが、特定競合企業の動向については日々の収集活動がものをいう。
 販売動向については、一般消費財の場合はもちろん、生産財または耐久消費財の場合でも、容易に得られる可能性が高いが、定点観測など一定のルールに基づいて収集しないと、情報が恣意的になってしまうこともあるので注意が必要である。競合企業の戦略の動向と密接なものであることを認識し、一時的な現象面に幻惑されないよう注意が必要である。
 広告宣伝については、ストレートに表現されるので、メディアチャネルに注意していれば把握できる。いずれにしても、これの情報を総合して競合環境の分析を行わなければならないが、あまり数値にとらわれると偏った解釈をしてしまうことになりかねないので、始めに大きなトレンド捉えておくことが肝要である。