市場環境の分析(その2)

 市場環境の変化は直接数字で捉えられるものばかりではない。複合的な要因により自社製品にどのような影響をもたらすかは、業界の指標を加工して推定する場合がほとんどであると思われる。例えば生鮮食品のように漁獲高に左右されるものもあれば、衣料品や生活必需品のように所得の変化と関連の深いものなどさまざまである。
 製品ミックスの変化も標準品、普及品、高級品などに注目してみる場合もあるが、業界によっては需要動向や最終商品の需要動向によってもミックスが変化するので、自社にとって重要と思われる分類について把握することである。いずれにしても、何に注目するかで、捉えどころが異なるので、あまり深追いしないようにしたいものである。
 近年の技術革新の進歩は著しいため、新製品や代替品の出現可能性には最新の注意を払う必要がある。かつてのポケットベルやテレホンカードなどがその典型的な例であるが、ビジネスモデル変化との関連でも代替品の脅威にさらされることもあるため、設備投資を計画する場合などは特に念入りに検討しなければならない。
 製品ライフサイクルを測定する意味においても、新規参入の状況やM&A、撤退企業の退出理由なども分析しておかなければならない。近年は特に離合集散が激しく、業界の地図が大きく入れ替わることが活発化してきている。また、海外事情の変化や為替変動などの経済環境に生産拠点の移転という形で業界地図が塗り替えられることもある。
 こうした変化は、顧客ニーズの直接的変化という形で表れる場合もあるし、消費者のライフスタイルの変化によって購買態度や購買行動の変化という形で表れることもあるため、こうした情報を正確に掴むことは難しいが、何といっても自社の営業マンからもたらされる日々の情報が基本になるため、情報の収集・蓄積・加工・分析が大切である。
 こうした分析の精度を高めるためにチャネル内の販売業者からの情報、新聞、テレビ、業界情報誌などにも目を通し、顧客像やニーズの変化を総合判断するほか、業界専門のコンサルタントに意見を求めるのも有効な手段である。