市場環境要因でまず押さえておかなければならないのは、業界全体の売上高の推移、市場全体の伸び率、業界の平均経常利益率、主要製品の販売価格動向などである。これらも過去3ヵ年の実績を把握し、マクロ環境の変化や競合企業の動向を踏まえたうえで、今後3ヵ年の見通しを立てる(仮説思考で大胆に予測してみる)。
業界全体の売上高の推移は、市場規模自体が捉えにくいこともあるので、業界トップの売上高から推定するなどの工夫が必要となるが、公的機関の統計資料がない場合は、業界団体が集計している出荷統計や生産統計の数字を加工することもできるし、調査会社のレポートを参考にすることで推定する程度で十分である。
市場全体の伸び率は、売上高の伸び率で捉える場合と出荷数量で捉える必要がある。価格変動が激しい製品の場合は特にそうした角度からトレンドを押さえる必要がある。当然、社内の販売データの差異分析との比較も重要であると同時に、製品のライフステージにも配慮して押さえなければ、市場の変化を見誤る虞がある。
業界の平均経常利益率は、業界全体の経常利益の平均値で見るのが望ましいが、その他の指標として用いられるのは、TKCの指標や中小企業の経営指標なども参考になる。ただし、経常利益率だけでは判断しきれない場合もあるので、営業利益率、税引き前(後)利益率も参考にしなければ把握できないので注意が必要である。
主要製品の販売価格動向は、モデルチェンジが頻繁に行われている業界の場合には、価格動向というよりも新製品の導入状況で捉えた方がいい。また、定番となっている製品の場合は、その製品の価格動向をそのまま掴まえる。製品のライフサイクルにおいて、成熟期にあるかどうかを判断する材料としても活用できるのでしっかりと掴まえたい。
いずれの環境要因を捉えるにしても、所詮は過去のデータであるから、変化の激しい経営環境下において将来を占う材料としては少し頼りないかも知れない。要は、中期の経営戦略を構築するための基礎資料として活用できれば十分である。これらのトレンドを踏まえて、今後の自社の展開方向を模索することが本題なのである。
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