戦略的思考法を身につけるには(その3)

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 戦略的思考を身につけるには、論理的思考法を身につけるのとどのように違うのだろうか。戦略的という言葉は、ある目標がありそれを達成するための道筋を考えるということを前提とした時に、論理的思考で迫るという使い方をするものであり、論理的思考とは、問題を解決するための合理的思考方法という意味合いで用いられる。
 もっとも、物事を解決するということは、捉えようによっては目標をもつことと同じであるから、戦略的思考=論理的思考と同義語と捉えてもあまり違和感がないが、本質的には異なったものであることを理解しなければならない。戦略的思考とは、競争環境を意識しながら目標を達成する場合の論理的思考法であると言える。
 企業経営ばかりではなくあらゆる組織において、あるべく姿と現状との間にギャップがあり、このギャップ(問題あるいは課題)を克服しようと考える時、まずは問題が生じているメカニズムを解明することから始めることになるが、この問題解決をフレームワークで考え、モレやダブリがないように空間軸にプロットするのが論理思考である。
 この段階でのメカニズム解明は、時間の経過を圧縮して、何故このような状態が生じたのかを解釈することが主題として取り上げられる。次には、顧客あるいは市場と自社のポジションとの位置関係を勘案しながら、その相互作用をよりよいものに改善し、適合を図ろうとするシナリオを描こうとして論理的思考を用いて迫る。
 しかし、こうした営みを継続してきたはずなのに、時間の経過とともにその時点では最適と思われた戦略が陳腐化していく。このダイナミックに変化する時間軸に適合するためにも、また、将来に対する変化を先取りするためにも、仮説思考により時間の変化に適応した経営戦略を練り直さなければならないという流れになってくる。
 経営環境の変化がめまぐるしい現在においては、安定したトレンドを安易に読み込むことは危険であるが、さりとて何の仮説も持たず、技術革新をとり込むだけでは経営資源の無駄使いになってしまう虞がある。先が読みにくい時代であるからこそ、戦略的思考法を身につけ、未来に適合する新しい道筋を切り開かなければならない。