戦略とはある目的を達成するための企てである。つまり、戦略は目的と考え方であるのに対して、戦術は戦略を達成するための手段・やり方である。したがって、企業の経営トップにとっての戦略は全社的問題であり、戦術は各部門の問題であるといえるが、各部門を束ねる部門長にとっては部門全体の戦略が問われることになる。
戦術はマニュアル化できるようなル―ル、日常的に繰り返されるオペレーション業務であるが、戦略は「企業独自の基本概念に基づいたビジョン、これを達成するための道筋・シナリオ」である。具体的には、「事業ドメイン」「競争優位性」を明らかにすることであるが、環境変化に適応するためには、絶えざる経営革新が欠かせない。
事業ドメインとは、「どのような顧客(市場)」で「どのような製品・サービス」で「どのような差別的優位性」をもって戦うかという事業領域を明らかにするものであるが、この領域と事業構成を明らかにしなければ、競争相手との戦いに勝つことはできない。つまり、顧客の側から見ても製品・サービスの特徴が認識しにくいからである。
事業のドメインがはっきりしたとしても、実際にどのようにして勝てるのかという問いかけに対してはまだ不十分である。競争相手に対して常に優位に戦うためには、差別化が必要であると述べたが、現実には企業のブランド戦略などは希薄であることが多く、顧客のブランドスイッチは頻繁におこっているように見受けられる。
このように戦い方を明確に示すことは、現代経営にとって最も重要な戦略であるが、それにもまして、めまぐるしく変化する環境に対応し続けるのは困難が伴う。しかし、絶えざる革新がなければ、いかに堅固な経営戦略を構築したとしても、たちまち陳腐化してしまい、他の企業にとって代わられてしまうことになりかねない。
経営革新とは、従来の延長上での改革の積み重ねではなく、企業の根幹をなす経営理念や人と組織の新結合を通じて、仕組みを再構築することである。それがリストラクチャリング、キャッシュフロー経営、サプライチェーン・マネジメント、顧客価値経営(CS経営)、IT戦略などであるが、元々経営戦略は経営革新機能を内包しているものである。
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