経営戦略の定義(その2)

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 経営戦略は、各部門の経営活動を全体として総合する機能をもっている。企業のもてる資源には限りがあるから、各部門の活動を特定の方向に集中化させることによって、資源利用の最大効率が達成される。その目的のために、経営戦略は、企業戦略→事業部戦略→機能的戦略というハイアラーキー(ヒエラルヒー)をもっている。
 企業戦略は企業の全体を環境の変化に適応させるための経営戦略であり、製品?市場戦略、財務戦略、人材戦略などが主な内容となっている。事業部戦略は、企業戦略の下位戦略であり、その製品?市場戦略における競争戦略が主な内容である。機能的戦略は、事業部戦略の下位戦略であり、マーケティング戦略、生産戦略、購買戦略などからなっている。
 (5)経営戦略は、情報収集を効率化するための決定ルールをなしている。決定ルールは選択ルールであるとともに、探求ル―ルでもあり、戦略の決定によって、各部門の情報収集活動は特定の方向に方向づけられ、情報の効率化をもたらす(経営学辞典 占部都美編著 中央経済社)。多くの企業はこの枠組みに沿って経営戦略を立てているものと思われる。
 現代では、MEポーターの競争戦略やW・チャン・キムとレネ・モボルニュが提唱するブルー・オーシャン戦略などが有名であるが、「戦略」とは元々戦争に勝つための「企て」のことであることを思えば、紀元前500年ごろに中国で活躍した「孫子」の兵法がルーツであり、日本では戦国時代の織田信長や豊臣秀吉に遡ることができる。
 戦争といえば、近代の軍事研究で有名なのが、ランチェスター戦略である。イギリス人で航空機工学のエンジニアであったランチェスターが、第二次世界大戦の研究をきっかけに提唱した戦略である。ランチェスター戦略は戦争であったが、その後の研究で近代の経営戦略の基礎へと発展してきて現代経営戦略の定石理論になっている。
 経営資源の集中、差別化、一点突破、強者の死角を狙え、などは現代の競争戦略の基礎になっている。こうした基礎の上にポーター、ドラッカー、コトラーなどの現代経営戦略理論が構築されている。しかし、経営戦略は絶えざる経営革新によって更新されなければ、めまぐるしく変化する環境に適応できない状況になっている。