経営戦略の定義(その1)

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 経営戦略(business strategy)とは、「企業経営の目的を達成するための包括的な手段として、企業の外部および内部の環境変化に対して経営活動の全体として計画的に適応させるための決定ルールを経営戦略という(経営学辞典 占部都美編著 中央経済社)」と定義しおり、チャンドラーやアントルースの定義もこの考え方に近いようである。
 ここでの定義に共通しているのは、経営目標と経営戦略の区分が行われていないのに対して、アンゾフは、「経営戦略は、主として企業の外部的問題であり、外部環境の変化に企業を全体として適応させるために、参入すべき製品?市場構造の決定である」とし、経営戦略の概念に経営目的を含めないことを特色としている。
 (1)経営戦略は、経営目的を達成するための包括的手段であり、経営目的とは区別される。しかし、両者は密接な相互関係にあり、経営戦略の決定を通じて経営目的の達成可能性が評価される。(2)経営戦略は、環境適応の機能をもっている。アンゾフは、主として企業の外部環境の変化への適応に限定し、製品?市場戦略をとりあげている。
 一方、企業の内部環境、例えば収益性の低下、操業度の低下、人材の過剰などは、常に経営戦略の対象となる。経営戦略を企業の内部環境の変化に適応するための内部戦略と、企業の外部環境の変化に適応するための外部戦略に分けている。つまり、外部環境の変化に対応するということは、それにふさわしい内部環境が整っていることが前提である。
 (3)経営戦略は、企業が将来当面する戦略的問題や戦略的機会の発見の機能をもっており、その問題解決や機会の利用によって、企業は環境の変化に適応していくのである。アンゾフは、企業がどのような製品をどのような市場に販売していくかを決定する製品?市場戦略を経営戦略の主な内容として取り扱うが、これを2つの戦略に分けている。
 一つは成長戦略で、企業が将来従事すべき製品?市場戦略を決定すべきものであり、それは市場浸透戦略、市場開拓戦略、製品開発戦略、多角化戦略からなっている。もう一つは競争戦略であり、製品?市場において競争企業に対して競争的優位を確保するための経営戦略であり、それは製品差別化戦略、占拠率拡大戦略、製品ライフサイクル戦略、市場細分化戦略などからなっている(経営学辞典 占部都美編著 中央経済社)。