市場構造の変化への対応

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 作れば売れる時代が終焉したことは周知の事実である。しかし、最終消費者が忽然と姿を消したわけではないことを考えると、市場の構造が変化し、消費者の購買態度や購買行動も一律には捉えづらいものになっている。例えば、商品・サービスの消費・使用時間、購買ルート、取引形態、取引ロットの大小など、様々な変化が見られる。
 すなわち、最終需要にはそれほど変化がない商品・サービスでさえ、市場の構造が日々変化している中にあっては、供給側である製造業者や流通業者も旧態依然とした供給体制で、顧客が存在しなくなった市場を対象とした販売活動に力を入れても、顧客のニーズに応えることはできないから、衰退市場に留まっている意味がなくなる。
 中小企業の中には、作れば売れた時代の成功体験が忘れられず、消費者が戻ってくることをひたすら願い、「よいものを安く」というオペレーション型の戦術を改めることなしに、旧来からのビジネスモデルにしがみついている。なかには、そうした頑固さが功を奏して、希少価値を増しているという商品もあるが、そこには新たな戦略が潜んでいる。
 ローコスト・オペレーションを武器にした戦略もあり得るが、その場合でも、世界のベストソースから原材料を調達する仕組みを構築したり、一連のサプライヤーとの連携により、消費者が求める新たな価値に応える対応策を構築している。これまでのように、消費者を一つの需要と位置づける市場セグメントでは対応しきれなくなっている。
 戦後の高度経済成長期には、はっきりとした需要が見えていたので、需要を満たすことに専念することが企業経営の一大課題であったが、現代のようなもの余の時代では、最終消費者の選択眼も情報化の助けを借りることでより厳しいものになってきている。したがって、顕在化した需要を追いかけるにしても戦略的対応が求められている。
 このように、現在の延長線上に解がない時代には、企業が自ら解を創造する経営が求められていることになる。しかしながら、現実には、「どのようにしたら売れるのか」というハウツー型の経営から未だ脱皮することができない経営者も多いように思われる。これからの企業経営は、経営革新機能により市場を創造する戦略思考が不可欠である。