情報不完全ゲームの考え方

 情報完備ゲームとは、情報が対称であることを前提としているゲームである。つまり、ある事柄について共有知識があるということであるが、それは、「自分も相手もその事柄について知っているだけではなく、自分がそのことを知っていることを相手も知っていること」である。さらに、「自分が、相手のことを知っていることも知っている」という状態が保たれていることを前提に成り立っているゲームである。
 例えば、野球の場合を考えてみても解る通り、「アウト、セーフ」や「ストライク、ボール」という定義が両チームのメンバーに共有されていることによってゲームが成り立っている。そのため、審判の判定がその定義に反すると感じた時は、一時ゲームが中断されるのは共有知識が崩れてしまうからだと考えるわけである。
 ゲームの要素を共有してしなければ、勝敗の定義もそれぞれ違うので、どちらのチームも勝ったと判断することになったりするので、ゲームとしての体をなさなくなる。しかし、現実の世界ではむしろこうしたゲームが圧倒的に多いので、こうした情報が非対称なゲームについての対処法にても考えてみなければならない。
 情報が非対称な場合というのは、あるプレイヤーが他のプレイヤーより多くの情報をもっている時のことであり、このままでは経済的な資源配分にゆがみが生じてしまう。例えば、販売側である企業の商品情報と購買する側の消費者の情報ではかなりの格差がある。このままでは価値の交換が公正なルール下では行われないことになる。
 こうした両者の取引を考える場合、そのままでは対処のしようがないので、幾つかのタイプに分けて考える。スポーツが好きかどうかという切り口で考えた場合、野球、サッカー、ゴルフというふうに分類すれば、そのスポーツに関連したグッツを買う割合も高くなるはずだというのが自然であるという考え方である。
 いうなれば、情報の非対称ゲームでは、プレイヤーの実際のタイプがどれであるか解らないので、取りあえず自然というプレイヤーを代理として据え、自然がある確率でタイプを割り当てることで情報の対称性をつくりだすわけである。こうすることにより、他のプレイヤーの行動選択肢それぞれに対応した利得の組みが出来上がる。