大きいブタと小さいブタの2匹が檻の中にいるとする。檻の右端には餌箱が置いてあり、左端にはレバーがある。左端まで行ってレバーを上げると、右端の餌箱に餌が投入される仕組みになっている。小ブタは走るのが速いのだが、大ブタが餌箱に来ると餌を食べることができない。2匹のブタには、「レバーをあげる」、「餌箱で待つ」という2つの選択肢がある。2匹のブタはそれぞれどのように行動すればよいのか?
1.小ブタがレバーをあげ、大ブタが餌箱で待っている...大ブタが全ての餌を食べてしまう。この時の満足度は、大ブタ「5」、小ブタ「?1」である。2.小ブタが餌箱の前で待ち、大ブタがレバーをあげる...餌が投入されてから大ブタが餌箱に到着するまでの間、小ブタは餌を食べることができる。この時の満足度は、大ブタ「3」、小ブタ「2」である。
3.小ブタ、大ブタ双方が餌箱の前で待っている...この場合は、双方ともに餌は食べられないので、満足度は双方ともに「0」ということになる。4.小ブタ、大ブタ双方がレバーをあげ、その後餌箱に向かう...足の速い小ブタが先に餌箱に到着するが、すぐに大ブタに多く食べられてしまう。この時の満足度は、大ブタ「4」、小ブタ「1」である。
上記の4つのパターンを改めて眺めてみると、大ブタにとっては、小ブタがレバーをあげてくれれば、自分にとって一番望ましいのだが、一方の小ブタにとっては、骨折り損のくたびれ儲けとなるので応じることはないであろう。つまり、1.のパターンは実現しない。次に、小ブタにとっては、どの道100%餌を食べることができないので、せめて2.と4.のはターンの行動を選びたいと思っているに違いない。
しかし、4.のパターンは2.のパターンよりも実入りが少ないので、できれば2. のパターンでいきたいと思う。そこで小ブタが動かないという戦略に出る。大ブタとしては多少不本意ではあるが、お互いに動かなければ餌にありつけないので、自分が行動を起こすしかないという結論に達することになる。2.のパターンが双方にとって妥当な選択となる。
つまり、お互いが少しずつ我慢し合うことで、お互いにメリットを得る均衡点である「ナッシュ均衡」は「2.小ブタが餌箱の前で待ち、大ブタがレバーをあげる」ということになる。このように、ブタは結構賢いことがわかるが、人間社会では、同じような問題に出くわした時、必ずしもこのようにスマートな解決策を見つけ出せていない。
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