ゲーム理論の神髄

 ゲームの構造(問題の構造)が解らなければ、適切な対処法も見つからないのは当然のことであるが、直観的に問題が生じていることには気がつくので、取りあえず問題解決に結びつくと思われる対処法を探し、行動を起こしながら効果を検証する。企業経営においてもこうした動きが多く見られるが、期待した効果は得られる筈がない。
 こうした場合、ただ場当り的に対処療法を繰り返すのではなく、まずあるべき姿は何か、そして現状との乖離を問題として捉えることから始めなければならないが、この時に威力を発揮するのがゲーム理論の考え方である。問題をどのように捉えるかによって、ゲームに参加するプレイヤーを特定し、お互いのとり得る戦略を分析することにある。
 ゲーム(問題)をどのように捉えるかということは、まずその構造を知ることであるから、より正確に状況を理解することができるかが、大きなポイントとなる。そして、そのゲームの構造をベースにして、将来どんな事態が生じるのか。ゲームのどこを改善すれば、問題が解決できるのかというプロセスで論理思考が展開される。
 ゲーム理論の神髄は、ゲームの構造を把握すること、起こりえる将来を予測すること、適切な解決策を見つけることにある。つまり、この問題は、ゲームに置き換えるとどんな構造になっているのだろうと考え、それが今後どんな展開になるかを予測し、どんな攻め方をすれば自分(見方)が勝利する(問題解決するか)に迫っていくことが骨格である。
 ゲーム理論は、人間ばかりではなく、動物、会社、団体、社会、地域、国などあらゆる主体が、利益を求めて行動していることを前提に、「複数の主体間で起こっている利害関係をゲームという形で記述する方法」と定義されている。したがって、身近なところでは、家族間に生じている利害などもゲーム理論の対象として扱える。
 複数の主体関係というと難しい響きがあるが、経営者と従業員、得意先とのトラブルなど、身近な問題すべてが利害をめぐる問題であり、この対立構造をめぐってゲームに勝つことと考えれば解りやすい。ゲーム理論が誕生したのは1929年ということなので、まだ100年にもなっていないが、置かれている状況を戦略的に整理するにはとても便利である。