プロセス評価のポイント

 プロセスを評価するということは、そのビジネスモデルが顧客のニーズに如何に応えたかを評価するものであるから、具体的には、そのプロセスが顧客ニーズ、つまり顧客が提供された商品・サービスに対して、どれだけ満足したかを測定・評価することにある。したがって、まずそのプロセスの顧客と顧客ニーズを定義することである。
 顧客及びそのニーズを定義するということは、そのプロセスのアウトプットが顧客ニーズに適合することがプロセスの要件となる。しかし、経営目的を達成するという側面を無視しては意味がないので、そのプロセスが迅速で効率的に機能することも欠かせない要件である。つまり、「売れること」と「経営要請に応えること」が2大要件である。
 プロセスの要件が定義されれば、今度は、その要件を満たすための重要成功要因は何かを明らかにしなければならない。例えば、商品企画の要件でいうと、そのアウトプットである新製品のコンセプトが顧客ニーズに適合していることである。ということは、商品企画段階においては、顧客ニーズを見極めることが重要成功要因ということになる。
 このようにプロセス評価とは、顧客のニーズを見極めることが重要成功要因であると定義づけられれば、このプロセスを評価することで、重要成功要因を満たしているかどうかを測定し、評価するこということになる。したがって、それを測定・評価する尺度を定量的に評価する数値指標をもちいるが、定性的な場合には判定基準を設定する。
 顧客から出発してプロセスの指標や尺度を設定すると、結果的にアウトプットの質(クオリティ)、プロセスのコスト、プロセスの迅速性(デリバリー)の3つ要素で指標・尺度・判断基準が設定される。すなわち、プロセスの目的は、顧客にとって価値のある製品・サービスを生み出すのと同時に、企業に利益をもたらすことである。
 この2大要件を満たすプロセス要件と重要成功要因を理解し、それに対して指標・尺度・判断基準を設定しなければならない。また、その指標・尺度・判断基準はQCD(クオリティ・コスト・デリバリー)に関してバランスよく設定される必要がある。この考え方を体系化したものがバランス・スコアカードである。