縦型と横型構造

 文章や言葉で表現する場合、どうしても階層構造になってしまいがちです。何故ならば、時間や紙副などの制約条件から、是非伝えなければならないことを優先的にピックアップして記述あるいは発言しなければならないからである。こうした制約条件の中で、研ぎ澄まされた論理思考を展開すると、網羅的であればあるほど伝わりにくい場合がある。
 こうした論理構成を助けるツールとして開発されたのがロジックツリーであり、これは縦横型に構造化することで、文章や言葉による表現の難しさを助けてくれる。例えば、並列した下位の項目のうちどちらを優先あるいは先行して論理を展開すべきかという場合、時系列により左から右に並べるのか、各項目間の相互関係を重視するのかによって異なる。
 いずれにしても、横と縦の関係を用いて、論理を構築していくのがロジックツリーの最大の特徴である。縦型の構造で展開される項目の例としては、ある現象や事柄の枚挙、理由の枚挙、方法の枚挙などである。一方の横型の構造で表現される構造としては、前提から結論に至る論理推論、時間の順序に従った記述、プロセスに従った記述などである。
 このように、論理思考による表現の助けとなるロジックツリーだが、現実の問題として見ると、分類の難しさという壁は随所に感じられる。例えば、図書の分類などはその典型で、複数の人が関与して分類を試みると、かなり恣意的で人により分類の基準が異なっていることを実感することもある。これではロジックツリーとして機能しない。
 会計の勘定科目なども、各企業によって微妙に異なり、一定のフォーマットにアレンジし直すのに苦労することがよくある。最終的には大枠にはめ込むことができるので、業界におけるポジションを測定する場合には、それほど支障はないものの、利益の計上の仕方にも独特のものがあるなど、標準化が難しいと感じることはよくある。
 論理思考で考えるには、確かにモレやダブリがあってはならないことは理解できる。しかし、これを厳密に追求することがどれほど重要かと言えば、時と場合によって違うし、それはまた別の問題であることもある。要は、何について考えるか、そしてどんな結論を導こうとしているのかによって、アプローチの手法が違うのは当然である。