企業はトラブルの宝庫である。トラブルと言うからには相手あるいは機械などの対象がある筈であるが、人間同士の争いとなると、論理がかみ合わず往生する場面にしばしば遭遇する。こうした時、解決に結びつける早道はないかもしれないが、せめて解決を遅らせるような行動は慎まなければならないと誰しも思っているに違いない。
しかし、現実には防衛意識が高ければ高いほど、議論がかみ合わず、ついには裁判に持ち込まれてしまうこともある。自己の考えが正しいことを主張し合うのは悪いことではないとしても、もめ事をあるべき水準に収めようと思いつつも、自己主張を強めるあまり、相手を一方的に攻撃してしまうため、相手もこれに応戦してしまう。
こうなると、合理的な解決は二の次になり、憎しみだけが支えのような対立関係になってしまい、解決のための接点を見出すのに大きな負荷がかかる。これがかつての経営者と社員であったり、取引先同士あるいは同僚だったりするとなおさら始末が悪い。こうした場合、トラブルが顕在化した時点で、目指すべきゴールを意識していないことが多い。
あるべき姿を挟んで議論するという暗黙のルールが確立されていれば、おのずから議論する領域が明確になり、議論がかみ合い水と油のような対立関係にまで発展しなくても済んだと思われることが多い。テーマ空間とは、相手を思いやるというほどの大げさものではないが、少なくとも目指すべき共通のゴールを認識するのに役立つ空間である。
つまり、テーマ空間とは、考えるべき状況や環境をしっかりと認識することと位置づけられる。ゴールが一致していることを認識できれば、そこまで到達する手段を議論するという協働関係が確立されるわけであるから、お互いの言い分を批判するにしても、相手の立場を尊重しなければ、ゴールが遠くなることが理解できるようになるはずである。
顧客満足と企業の目標達成などはその典型であり、力ずくで一方的にねじ伏せれば、その反動は、津波のように変貌して返ってくることになる。こうした原点に辿りついたのがマーケティングの考え方であるとも言える。正しいテーマ空間で望ましい共通のゴールを見つけることができれば、解決策はかなり絞り込めることになる。
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