利益計画策定手順

 利益計画を策定するにあたり、何を拠り所にすればよいのか迷うところである。つまり、目標とする利益を設定する根拠をどこに置くかを決定する場合を考えてみると、原価や販売費・管理費を控除した後の利益は多いことに越したことはないと考えたとしても、あながち間違いではないが、下手をするとこれがマイナスになることさえある。
 絶対的な根拠があるわけではないが、さりとてフリーハンドで設定するのも合理的ではない。ごく一般的な目安は、投下した資本に見合う利益を設定するのが無難であるかもしれない。それは、投下した資本(出資金や借入金)に付加価値をつけることと考えるとすれば、配当額の魅力や支払利息がこれにあたるので、一つの目安になり得る。
 そうすると、投下資本のリターン(株主資本利益率:ROE)を基準にすれば、他のプロジェクトに投資した場合に得られるであろうと予想される利益を犠牲にして、本計画に投資するということを意味するので、世間相場を下回ることはできないと考えるべきである。これがいわゆる機会原価(逸失利益)という考え方である。
 この考え方を基本として利益計画を立てるとすれば、この利益を生み出すための売上高と原価、販売費・管理費を見積もることになるが、その中でも売上高がどれくらい見込めるかを最初に掴まえなければ、原価も販売費・管理費も見積もることができない。具体的には、市場における競争を意識しながら、どれくらい売れそうかを推定する。
 この時点では見込み以外の何物でもないが、実現可能と思われる売上高を仮設定して、これに対する原価を見積もる。そして、この売上高を実現するための必要経費(販売費・管理費)を積算する。この時、売上高、原価、販売費・管理費、利益のバランスが妥当なものであるかどうかを多角的に検証してみることで、目標損益計算書に纏め上げる。
 これらの関係をさらに検討し、損益分岐点売上高、キャッシュフロー計算書まで策定してみる。投資効果を基準にしているとはいえ、投下した資本のリターンにも配慮しなければ、経営の安全性が確保できないこともある。多額の設備投資を伴う場合などは、設備投資計画、資金調達計画を踏まえて、キャッシュフロー計算書を作成しなければならない。