新規事業はアイディアから始まることは確かであるが、筋のいいアイディアがあれば必ず成功するというものではない。アイディアは偶然生まれるということもあるが、大抵は、なんとなく不便を感じていたこととか、クレームが多く寄せられ、改善を迫られていたというような背景から生まれることが多いように思われる。
また、既存製品の製造過程や新製品の研究過程で偶然に生み出された新素材とか、新サービスという形でアイディアの核となるシーズが誕生したことを受けて、新しい事業機会を検討するという場合もあるかもしれない。これらのアイディアは、シーズ型とかニーズ型などと言われているが、大きく捉えればアイディアの育つ土壌の問題である。
社内ベンチャーにより新規事業のアイディアを募集する場合でも、唐突にアイディアを求めるだけでは筋のいいアイディアは出てこないし、出たとしても、それを評価する芽が育っていなかったり、育てるためのインフラが整備されていなければ、新規事業計画として認められ、事業として実際に立ちあげられるのは稀である。
複数の事業部により構成されている企業の場合は、長期経営計画の中に新事業計画が組み込まれていることになるので、マクロ的な環境分析により、政治経済をはじめとする顧客や競合関係、社会情勢の変化、技術革新など確実に捉えた中で、ミクロ環境である自社の強み・弱みを把握できているという前提で新規事業が位置づけられる。
しかし、新製品開発を主体としたアイディアは、ミクロ環境の中で創出される場合かも多いので、その場合の事業計画はマクロ環境分析により検証しなおす必要がある。中小企業の場合は、この点の分析と仮説にモレがあり、そのままビジネスモデルとして事業計画に取り込むのは危険であると感じるこが多いのも事実である。
全く新規でプロパーな事業でも、何らかの経験や知識に支えられているはずなので、その場合は、ある種のデータベースが個人の中に構築されているので、改めて環境分析を繰り返す必要はないかもしれないが、構想を計画に積み上げていく過程では、より確実性の高い仮説により導かれたものでなければ、到底協力者の理解は得られない。
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