新しい事業にチャレンジするには困難が伴うということは、感覚的あるいは経験的には理解できる。しかし、一方ではいったん認知されたビジネスモデルが、延々と継続できるというケースは極めて稀であることも事実である。このジレンマの中に身をおきながら、新規事業のアイディアを模索し続けているわけである。
元々起業したからこそ現在の企業が存在するわけであるから、それ自体が経営革新であったはずなのに、一旦採用されたビジネスモデルを変えようとしないのは何故なのだろうか。それはある種の成功体験を背負い続けているからであるが、その方が、敢えてリスクを取るという発想に結びつかないため、新しい芽が育ちにくいためでもある。
最近は本業回帰という言葉が飛び交っているが、それは経営革新を怠ることを推奨している言葉ではないはずだ。経営環境が変化すれば、市場に対する対応力を高めようとして、組織を再編するなどの措置を講じるのは当然ことであり、場合によっては新しいビジネスのチャンスを見つけ出し、新規事業の立ち上げを検討することも十分あり得る。
よく言われる「企業の寿命は30年」というのも、何を根拠にしているのかは定かではないが、同じビジネスモデルを30年も続けることを指すのであれば、30年は長すぎるといわざるを得ない。社名の変更あるいは解散・設立という形を取ることだけが、スクラップ&ビルドではないし、形だけで経営革新を語るべきではない。
数十年もの伝統ある企業も数多く存在するが、現在に至るまでの間に経営革新をどれほど行ってきたか想像を絶するものがある。例えば、創業当初は超人気商品であったものが、時代とともに廃れ、現在は全く異なった製品を製造しているという企業は枚挙にいとまがない。つまり、絶えざる革新が企業の寿命を支えてきたわけである。
既存企業が経営革新により新規事業を立ち上げる場合ばかりではなく、新たに企業を設立し、新規事業に取り組む場合でも、それまで培ってきた経験から新しいビジネスに到達したと考えれば、それなりのリスクも熟知しているであろうし、それを回避する方法についても、事業計画書に盛り込むことで関係者に提示することができる。
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