ピーク分析

 ピーク分析は、季節や時間帯によってピークが生じる時、限られた経営資源をどのように配分すれば、機会損失を最小に抑え込めるのかといった課題に答えるための分析である。時間的に集中することを前提としなければならない場合は、対応能力を増強することで解決できるとしても、オフピークにおける非効率をどのように解決すべかが問題となる。
 小売店や飲食店の場合は、ピーク時に店員を増やしフレキシブルに対応しているが、このパターンが適切であるかどうかを見極める必要がある。つまり、ピーク時に資源を集中すべき場合なのか、ピークを分散させて平準化すべき場合なのかを判断するのが、ピーク分析を行う目的であるから、トレンド分析やパレート分析とも共通している面がある。
 まず、ピーク時に資源を集中すべき場合について考えてみると、顧客や需要がその季節や時間に集中せざるを得ない事情(理由)について分析してみることである。例えば、オリンピックの開会式などの大きなイベントに観衆が集中するといった場合は、入場者の数を収容人数に合わせて設定するしかないので、ピーク時に合わせた対応を考えるしかない。
 このように、ピークが1つしかない場合は、ピークに合わせて資源を集中する以外にないが、ピークが2つ以上あったとしても、ランチタイムとディナータイムのように、ピークを変えることができない場合は、やはり人員の配置や増強により対処するしかないが、その場合でも、全くそれ以外の対応策がないとは限らない。
一方、ピークを分散させて平準化すべき場合とはどのような状態なのだろうか。一般的に行われているのは、価格やサービスにインセンティブをもたせ、ピークアウトさせることで、分散誘導し平準化が図れる可能性が高い場合である。また、配達サービスなどを付加して、ボトムアップを狙う戦略も考えられるであろう。
 しかし、年末年始の帰省ラッシュやUターンラッシュのような場合は、対応力に余力があれば臨時列車を増発するなどの対応策がとられるが、価格割引などによるピークの誘導が功を奏しにくいこともある。いずれにしても、供給者側の一方的都合でピークを引き下げしたり移動させようとしても、資源の節約や効率化にはつながらない。