バリュー分析

 顧客にとっての製品・サービスの価格は「コスト」そのものである。全く同じ価格の商品が2つあったとすると、顧客の価値観によりバリューが高いと感じたものを購入するであろう。ところが購買をする意思を決定した段階では、あくまでもその商品に対する期待価値(CE:Customer Expectation)によるバリューである。
 実際に購買し、使用・消費することにより、どれだけの満足(CS:Customer Satisfaction)が得られたかによって、リピーターになるか、あるいはCEを修正し、他の商品を選択するかを決定する。つまり、CS≧CEであればバリューが高いと判断して再購買するが、CE≧CSの場合は、まあまあ或いは期待外れということになる。
 しかし、現実にはそう単純な価値基準だけで購買に結びつくものではない。製品・サービスを顧客が購買しようとする際には、価格や機能だけではなく、企業イメージやブランドイメージ、CSR(社会的責任)なども考慮した広い評価軸により判断している。特に近年は環境や省エネなどに配慮しているかも重要なCEのファクターとなってきている。
 IT化が進展する中、CEとCSの関係はかなり接近しつつあり、顧客にとってブラインドになっていた情報が事前に入手できるようになってきたため、製品・サービスの作り手としても、顧客に対して事前に期待できるバリューを、できるだけ目に見えるような形で提示しなければ、事前評価の対象にすらしてもらえない。
 しかしながら、顧客の価値基準も恣意的であるし、情報の処理能力にも限界があるばかりか、感性により購買を決める場合もあるので、全ての価値について追求しても満足度を把握することは難しい。となれば、コンジョイント分析などにより、顧客が製品・サービスの価値(満足度)を決めている主要購買要因(KBF)を見つけるのが有効である。
 商品は、モノ的商品とサービス商品に分けて考えてきたが、今や殆どの商品はサービスを付加することによって、満足度が高まるといっても過言ではない。例えば、取り付けやアフターサービス、ローンの組み込みなども、購買の意思決定に大きな影響を与える要因であり、全体のバリューを分析する場合の大きな領域である。