ブランドとは商標登録されている名前のついた商品のことである。確かにそのルーツは商品に刻まれた印であったのだから、その意味では議論の余地はないかもしれない。しかし、マーケティング上からいうと、一般にブランドとして認知されているかどうかは、別の意味で使われていることが多いことは周知の事実である。
少なくとも、消費者がブランドという場合は、ある種の特徴があり、品質がよく、既に高く評価されている商品のことを指している。したがって、商標登録されて、一時的によく売れ流行したとしても、それだけではブランドとは言えないという共通の認識がある。つまり、ブランドであるかどうかは、消費者がそう認知するかどうかで決まる。
ブランドが備えているべき条件としては、品質の良さ、他の商品にない特徴、そして、何よりもローヤル・ユーザーが多く存在し、よく売れ続けていることである。すなわち、長年月にわたり、ユーザーに支持され続けてきたことに対して与えられる社会的称号とでもいうべきもので、メーカーサイドのネーミングによって決まるものではない。
製品として誕生してから、ブランドへと進化していくには、およそ次のような過程を経ることになるものと思われる。製品を誕生させる直接の動機は、かなり顕在化しているが未だ満たされていないニーズに応えようとしていることにある。したがって、この時期には、品質や性能、効能、値打価格などが条件となる。
これがいわゆるよい商品として認知される第一の関門である。こうした評価を受けたのち、今度は、実際に使用・消費した感じ、デザインなどの見ため、使い勝手のいいパッケージなど、商品に付随する好みとしての側面が評価の対象になってくる。この段階までは、いわば個々の消費者のニーズや利便性との関連で評価される。
その次の段階では、その商品が環境に及ぼす影響や省資源、省エネルギー、世間の評判など社会的評価としてのブランド力が問われるようになる。エコ商品などはその一例であり、その商品を使用することによるステータスしての信号として機能する。最後は、愛着や信頼、自己実現など意味的効用により、かけがえのない商品として根づいていく。
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