社内起業支援

 新規事業創造に加えて、リーダー育成のために事業公募の仕組みづくりに取り組む企業が増えてきている。この場合のリーダーとは、単に仕事に積極的に取り組むだけではなく、組織を変革する役割を担う人材として位置づけられている。それだけ組織を取り巻く環境(市場、競合、社会システムなど)の変化が激しくなっているということである。
 つまり、従来の成功パターンは通用しなくなったことを認識し、新たな環境のもとで、新たな仮説に基づき、ビジョンを構築するためのリーダーが必要になってきたということである。部下と情報を共有し、権限を委譲することによって、部下が自立的に行動し、より高い成果をあげることを支援する。これが新しいリーダー像である。
 このように、動機づけ・エンパワーメントによって組織を動かすというリーダーは、新しい仮説を実現化し検証できることが求められている。近年では、企業を取り巻く競争環境の変化が激しく、あらゆる分野において変革を迫られている。こうした中において、変革の推進者としてのリーダーの必要性は益々高まってきている。
 更には、リーダーシップだけにとどまらず、マネジメントスキルも要求されるという状況にまで変化し、経営計画の策定、資源の配分・コントロールといった機能を発揮することが期待されている。社内起業支援の意義は、企業のリーダー発掘が目的化しているという現況にあり、その発掘が最初のキーポイントとなっている。
 リーダーに求められる熱意や対人能力といった特性は、個人の資質に依存することが多いので、まずそういう人材を会社の内外を問わず発掘することから始められるが、これは到達点ではなく、入り口に過ぎないわけで、実際には、限られた経営資源を最適に活用する計画と統制といったマネジメントスキルも必須の条件となる。
 このような試練に耐えうるリーダーこそが、求められる人材像ということになるので、発掘と試練のタイミングも重要な要件である。真のリーダーとしてリーダーシップを発揮し、企業の中核的人物に育て上げるためには、20?30代であることが望ましい。なぜならば、真のリーダーは成功ばかりではなく失敗も学ぶ必要があるからである。