社員に働きやすい職場を提供するということは、業務遂行上必要な設備に限ったことではない。上司と部下との円滑なコミュニケーション、正当な評価制度がセットされた目標管理制度の充実なども含めた職場環境を提供することである。しかし、社員の受け止め方も千差万別であるから、最終的には個々人の満足度を理解しなければならない。
社員の満足度を把握するには、社員が日頃から感じている業務遂行上の不都合を把握することから始めなければならないが、それには、まず、上司と社員の相互関係が良好であることが前提条件である。この関係を築くことは意外に難しいものと思われるが、この部分の風通しが悪ければ、一向に社員の満足度は向上しない。
経営幹部が社員との相互理解を望むのであれば、社員満足に関心を払い、働きやすい環境を提供していくことによって、社員の満足度が向上すれば、組織へのロイヤリティの高い社員を創出していくことにつながることは間違いない。こうした社員が組織の目指しているベクトルに合わせて自己改革できれば、組織の目標の達成にも寄与する。
組織へのロイヤリティの高い社員は、組織が実現しようとしている目標と、これを実現するために社員自らが担わなければならない役割を十分に理解していることが多い。そうした社員は、当然仕事上のミスも少ないし、ミスを犯したとしてもそれを繰り返すようなことは少なくなる。このような社員は顧客からも好感をもたれる。
社員満足度を高めることの真の意味は、「経営幹部と社員の相互理解」→「職場環境の改善」→「経営効率の向上」→「顧客満足度の向上」→「経営目標の達成」というプロセスを経ることでのみ達成される。つまり、「社員満足度」と「経営目標の達成」は相反するものであってはならないわけであるが、現状とのギャップはかなり大きいと思われる。
中小企業の場合は、経営者の価値観は絶対的なものがあり、特にオーナー社長でカリスマ性がある場合は、すべての価値観が社長サイドの尺度で測られるため、社員の不満は常に一蹴される運命にある。少なくとも、社員の中にはそう感じているものが多く存在するが、ベクトルが合えば大きな成果に結びつくこともある。
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