eラーニングのデメリット

 eラーニングは、自宅での学習も可能であるが、PCがインターネットを利用できる環境にあることが前提条件である。近年はこれらの普及率も以前に比べ格段に上がっているとはいうものの、企業によっては、一人に一台というインフラが整っているとは限らないので、環境整備や受講者のWebリテラシー教育などの初期投資が伴うこともある。
 eラーニングは、IT関連のスキルや体系的に知識を習得するには最適であるが、フェイス・トゥ・フェイスのシチュエーションにおいて必要なスキルの習得には不向きである。例えば、面談スキル、プレゼンテーションスキル、機会の組み立て、修理技術などがそれであるが、これらの分野にもバーチャル・リアリティ技術が開発されてきている。
 また、限度を超えた情報量は焦点がぼやけてしまい、単なる知識の羅列に終始する学習に終わる危険性もある。しかし、これらの指摘は、eラーニングの本質的なデメリットではなく、主催者側の研修企画やトレーナーのコミュニケーション能力の問題であるという意見もあるなど、人により評価が分かれるところである。
 更に、eラーニングが適切に実施できる学習環境の整備なども問題となろう。職場にいながらにして学習が可能という状態は、学習に身が入りにくいという環境に置かれているともいえるわけである。つまり、集合教育であれば、仕事から完全に隔離されるので、学習に専念できるが、eラーニングでは中断を余儀なくされる可能性もある。
 中小企業の場合は、どちらかというと労働集約的な産業であることが多いため、eラーニング環境を整える必要性そのものが希薄である。つまり、eラーニング環境が整備されにくい環境にあることが、この普及を遅らせているというのが実情であり、それ自体が、eラーニングのデメリットなっているとも言えるわけである。
 インフラの未整備、初期投資の必要性、限定的適用可能性、情報過多、学習環境など、ここに掲げたeラーニングのデメリットは、概して言えば、中小企業が取り組みにくいものばかりである。これらのデメリットを克服する取り組みは必要であるとしても、何をどう学ぶかという基本的な研修計画の策定を先行させなければならない。