eラーニングを導入することの目的を明確にしておくことが最も重要である。従来型の研修スタイルやCD-ROMを利用した単なるCBT(Computer Based Training)で事足りると判断されるのに、敢えてeラーニングを導入するというのでは、導入すること自体に意義あるという構図になってしまい、費用対効果の面から考えても非効率である。
また、受講者のWebリテラシーが十分でなければ、学習環境を整えたとしても、eラーニングを効果的に運用できない。日常業務に電子メールやイントラネットといったインターネット技術が活用されていることはもちろん、ITアレルギーが受講者の中にいるようでは、eラーニングの活用は時期尚早といわざるを得ない。
上記のようなeラーニング環境や条件が整っていたとしても、eラーニングの内容が双方向(インタラクティブ)のコミュニケーションが組み込まれた学習内容でなければ、単なる自主学習と同じであるから、CBTと何ら変わりはないことになってしまう。eラーニングのメリットは、最適なエキスパートとのコミュニケーションが容易なことである。
従来型の研修とeラーニングを単純に比較することで、従来型の研修を効果的なものに改善できる余地はある。しかし、すべてをeラーニングに置き換えることが可能かといえば決してそうではない。研修には、それぞれの特徴やどうしても越えられない限界があるので、双方の研修を組み合わせた研修は今後も考えられる。
eラーニングに限らず、すべての研修には具体的な目標がなければならない。企業がこれまで実施してきた研修は、どちらかというと、現場レベルでの業務の効率に重点が置かれ、戦略的思考のレベルアップを目指したカリュキラムは少なかったように思われる。特に情報収集と分析・活用に関する思考様式の構築については希薄だったように思われる。
業務の効率化が一巡した今日、eラーニングの神髄である情報収集・加工に取り組むことが、今後の課題であるはずだ。そのためには、eラーニングの導入ありきではなく、戦略的思考の共有化を目指し、ノルマ型から自己啓発型にシフトした研修計画を再構築する必要がある。この場合もまたeラーニングの手助けが有効に作用する。
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