目的とはあるべき姿と捉えれば、どのようにすればその目的に到達できるかを考える。このときに現状とのギャップが課題でるとすれば、課題解決の手段を模索するのが、仮説思考の原点であるが、現実には、目的そのものが夢に近いものである場合には、当面の目標を設定して最終到達点に向かう行動を選択する。
例えば、企業内において出世を望むのであれば、まず業績を上げることが当面の目標になるだろうし、業績を上げることを目標として掲げ、これを達成するためにはどのように行動すべきか、あるいは、その前に企業から採用されるためには、何が必要かといったことが課題である場合もあるが、この各段階で仮説と検証が繰り返される。
また、別の切り口から考えると、自分は成功したいのか、失敗したくないのかという目的意識によっても仮説の立て方が違ってくる。つまり、最終的には成功したいのだが、そのためには、とりあえず失敗することだけは避けたいので、積極的に勝利を目指さないで、負けない工夫をするために仮説思考を働かせることもあるかもしれない。
スポーツの格闘技などを見ていると、勝ち上がってくる人は強い人というよりも負けない工夫をしている人と映ることもある。こういう人は仮説思考の優れた人であると見ることもできる。すなわち、与えられたルール、自分の実力や欠点、勝つことによって得られる自分のポジションなどを勘案して目標を決めている。
このように、ある時点を基準にして目的と仮説の関係を見ると、明らかに目標の設定が先にあり、これを達成するための最適手段を見つけるために仮説思考が役立てられるように見えるが、現実にはその逆で仮説思考が優れているから、達成可能な目標が設定できるのであり、その糸口はそれぞれ平等に与えられている。
仮説・検証モデルを回すことで、過去に構築した仮説が活用できるかが、迅速にシミュレーションできる。優れた仮説はこうしたメカニズムの中から生まれるのであり、ひらめきや思いつきだけで構築できる余地は少ない。言い換えれば、目的や検討対象が明確でなければ、達成できない言い訳を積み重ねただけのものになってしまう。
コメント